2020年8月に鴨江アートセンター104号室で展示した作品『風にゆられたキロクとキオク – If you ride the wind in Hamamatsu 2020 May – August – 』の紹介映像です。
この映像を観ることで、サウンドインスタレーション作品の音場や空気感のようなもが伝わるよう、360度空間の音声録音可能なマイク (ZOOM H3-VR)で録音した音声を編集し、バイノーラルサウンド*として再生しています。視聴される時は、ヘッドフォン又はイヤホンでお聴きください。実際の展示空間に近い音空間を聴いていただくことができます。
撮影と編集は、映像作家の池田泰教さんにお願いしました。会場で作品を体験しているようなゆったりとした時間と、それと同時に作品の内容を理解できる状況を映像で表現していただきました。
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*バイノーラル (Binaural) サウンド
バイノーラルとは、「両耳で聴く」という意味です。バイノーラルサウンドは、ヘッドフォンやイヤホンを用いた立体音響の一つで、人間の耳に近い条件*1で録音し、ステレオ・ヘッドフォンやステレオ・イヤフォン等で聴くことを想定して制作された音声です。その音声は、録音した場所の臨場感や3D空間を感じる音を聞くことができます。
一般的にバイノーラル音声を制作するには、人間の耳に近い条件を利用したダミーヘッドのようなマイク*2やシュミレーターを利用して録音します。聴く時には、ステレオ・ヘッドフォンやステレオ・イヤフォンを使用します。バイノーラル音声は、ステレオスピーカーで直接再生すると、各スピーカーからの音が両耳に到達(クロストーク)するので、空間性を感じられる効果が得られません。
*1 人間の耳に近い条件
人間が音を聞いている時は、音源から左右の耳に直接届く音波だけでなく自分自身の耳たぶや体の各部によって複雑に回折・反射した音波も合わせて聞いている。それらによって音源の定位やなどを知覚しているといわれている。
*2 人間の頭部と同じ形をした模型の耳の中の鼓膜にあたる部分にマイクをセットしたダミーヘッド(NEUMANN KU100)や頭部模型はないが耳介が取り付けられているマイク(3Dio Free Space)、イヤホンにマイクを取り付けられたイヤホン一体型マイク(Roland CS-10EM)がある。
クレジット
Documentary Camera & Edit :池田 泰教 (BLUE LICHENES)
Sound Recording & Mixing, Mastering : ウエヤマ トモコ
助成
2020年度浜松市鴨江アートセンター 制作場所提供事業 アーティスト・イン・レジデンス
文化芸術活動の継続支援事業(文化庁)